前回、河回村(ハフェマウル)を訪れたのは2012年の2月のことだった。夕方に村へ着くと、空から静かに雪が降り始め、翌朝には一面が真っ白に染まっていた。あのときの、雪降る村で感じた静けさは、今でも鮮やかに思い出す。
その際は、中村好文さんの著書『意中の建築(上)』に紹介されていた民家に宿泊したのだが、オンドルはあまりに熱く、布団を半分に折り畳んで床との接点を少しでも減らしながら眠った記憶がある。
本来の、柔らかく包み込むような暖かさとは程遠い、暑さとの戦いに近い夜だった。
今回は、同じ河回村でも、かつて両班と呼ばれた貴族階級の格式ある家、北村宅(プクチョンテク)に宿を取った。文化遺産の中に身を置くという時間である。
男性陣は和敬堂と呼ばれる、家の主人が家政を司った部屋へ。門に近い、家の「顔」ともいえる空間だ。
女性陣は北村幽居と呼ばれる別棟に泊まった。ここは長老である祖父が生活した場所で、夏のための開放的な板間(マル)と、冬のための包まれるようなオンドルが併存している建物だ。
比較してみると、幽居のほうが空間の印影やボリュームの大きな変化があり、より魅力的な空間であった。
夕方に少し火を入れてくださっていたようで、翌朝、部屋はほんのりと温もりを残していた。前回の熱々体験とは対照的な、柔らかな、守られた感じのオンドルでの目覚めとなった。
朝、村を歩く。曲がりくねる塀に導かれるように、家々が連なり、どの建物にも外と内のあいだに「マル」と呼ばれる縁側のような場がある。そこに座り、人々の生活の姿を想像すること自体が、とても豊かな時間だった。
その後、川を挟んだ向かい側にある屏山書院へ向かう。ここはかつての儒教の私塾である。床と柱、そして天井に切り取られた外の景色は、まるで静かな屏風絵のようだった。ちょうど小学生たちが校外学習で訪れており、先生の熱のこもった声が印象的であった。
さらに近くに再建された花山書院にも足を運んだ。
夕刻、河回村へ戻り、800年の歴史を持つ仮面劇「河回別神グッ」を鑑賞した。すべて韓国語ではあったものの、庶民の生活と、両班への皮肉や風刺が身振り手振りや間の妙で伝わってくる。
充実した河回村での時間を後にし、次はもうひとつの世界遺産、良洞村へ向かう。
期待は、自然と少しずつ膨らんでいく。

















