2022年12月初旬、鎌倉山にある「ink gallery」にて開催された「好文堂」へ。オリジナルの建築は、吉村順三氏による設計(1974年竣工)、そして中村好文さんによってリノベーションされ、ギャラリーとして公開されています。
Ikkenにて改修工事を行なった「京都・西山の家」が1976年竣工なので、同時期の吉村先生の住宅となります。
そして「ink gallery」には、中村外二工務店による茶室まであるという贅沢さ。これを定期的に公開してくれている<YAECA>さんには感謝です。高低差のある敷地形状を活かした半地下のアプローチ。アプローチのすぐ脇には小さなギャラリーがあります。
ここには中村さんのデザインした美しい家具たちが並んでいました。そして母家のエントランスを抜けると少し高い位置に茶室が登場します。名建築が二つ並ぶには450坪あるという敷地も少し狭く感じらます。茶室に関してはどの程度改修されたのかが気になります。(中村さんに訊ねてみれば良いのですが。)
吉村先生の建築を体験するといつもそのプロポーションの美しさ、居心地の良さ、建築構成の楽しさを感じ、建築に対する想いや精神性を感じずにはいられません。平日の昼過ぎに訪れたにも関わらず、たくさんの方が家具と建築を堪能していました。
茶室にてお茶を頂き、趣きのちがう庭を堪能。床の畳、障子の和紙、木、土、全て土に還っていく素材でできた建築、全てが枯れた色彩に統一された美しさ。
二つの建築を堪能した後、鎌倉山を稲村ヶ崎に向かって山を下り、久しぶりに江ノ電に乗って帰路につきました。