10月最後の2週間、大学院生がインターンシップに来てくれていました。ikken設計室では例年2名ほどがインターンに来てくれています。学生時代の貴重な2週間をikkenで過ごす訳で、出来るだけ多くのことを経験してもらえるようにと心掛けています。事務所での勤務だけで無く、現場打ち合わせ、大工さんの加工場、山中さんや大西さんの家具工房、ikken Laboなどに行く機会を作るようにしています。学校では学べない職人さんとの共働、デザインしたものがその場で形になっていく臨場感、そういったものを見ることで図面上の一本の線の意味に気がつくのかと思います。ikkenではほとんどの現場が、同じメンバーで、監督さん、大工さん、職人さん、家具屋さんが垣根無しで仕事をしています。
当初の理念は、二人の家具屋さんと一緒に考えて、一緒にデザインしてモノづくりを行なっていこうと決めて動き出したikken。そこに同世代の現場監督さんと二人三脚で仕事をしているうちに、初めの考えより少し大きなチームとなって、質の高い仕事を皆でできるようになってきました。
多くの学校では大規模な建築をプログラムし、設計することを学びます。その建築的な考えはたとえ他の分野に行っても役に立つように思っているのですが、日常の中で、特に生活に根ざしたところにも、たくさんデザインのヒントがありそれを丁寧に考え、作っていくことの面白さ、アイデアや建築のスケールを常に行ったり来たり、変化させながら考えることの重要さなどを伝えられたら良いなと思っています。