Note
1916年 辰野金吾氏設計の元銀行の建築。長谷ビルディンググループの本社オフィスとして2階部分のみの改修工事。100年以上前の町家の改修はこれまでたくさん行っているが、同時代の鉄筋コンクリート造の建物改修は最初で最後になるのでは無いかと思われる。今回は内装工事の為、躯体を補強・補修することは無いが、2階床スラブに局所的に荷重が掛からないように配慮している。何度も改装されている為、内部に関してはオリジナルの部分は少ないが、天井の高さや開口の取り方、階段など非常に見所が多い。クライアントからは「シンプルに気持ちよく働く」という要望を頂き、会議室は元々あった個室を利用し、オフィスの大空間は間仕切りを作らない広いスペースとした。個人のデスクの他に、ダイニングのような大きなテーブルを配置したスペースを用意している。階段室に面し、1階の店舗の賑わいが感じられる空間となった。
建築をシンプルに計画し、家具や建具を少し重厚感のあるデザインにすることで、歴史ある建物との調和を図っている。