Note
大通りから入り込んだ路地の奥に、東山の町家は位置する。路地には猫が佇み、外で遊ぶ子供たちの賑やかな声が聞こえる。連棟長屋の為、北側に隣接する柱・壁は共有となる。路地や周辺環境から隔離することなく、それでいてプライバシーを保てることが求められた。そこで、町家の構造体の中に、もう一つの箱を挿入することを考えた。入れ子状の建築となることで、隣家、路地から少し距離を置きながらも、光や風は沢山取り込むことが出来る。 また、障子によって、プライバシーや光を調整するようにしている。路地に面した台所は土間とすることで、路地空間を内に取り込んだような雰囲気が感じられる。さらに2 階の寝室は、床・壁・天井とも和紙貼りとし、包み込まれるような空間を構成した。