Note
世界に遺る衣服や生地にまつわる歴史を元に、現代の民族服を提案しているMITTAN。修繕、染め直し、買取・再販まで行い、衣服の短いサイクルや大量廃棄を問題とし、永く続く服を目指して活動されている。MITTANとの出会いは同じ古い建物に魅力を感じ、同時期に拠点を移したことで生まれた。そのブランドのコンセプト、素材に対する探究は店舗づくりを通して、深く共有する意識が生まれたように思う。嵯峨野にある左官の工房での打ち合わせ、土やそれに練り込むものまで共に深く考察を行った。コンクリートが剥き出しとなっていた空間に、小舞を編んで、土を塗り、床は石灰で仕上げた。床は美しいが脆い素材、クライアントの繕って大切に使うという意思が無いと使えない素材である。大麻や竹の繊維という衣服で使う素材を建築や什器にも取り込み、自然素材への探求が空間や細部にまで統一感をもたらしたかのように感じている。