Note
初めてお会いしたのは、たくさんのヴィンテージ家具に包まれたマンションの一室。大工さんと丁寧に相談して改装された部屋は、小さいながらもとても魅力的で、空間や家具に愛着を持って生活されているのを感じ、一緒に家づくりできることを嬉しく感じた。そのマンションを離れ、新たな土地での新築工事。敷地はゆったりとした広さがありながら、東と南は隣家に塞がれていた。土地探しから一緒に行っていたクライアントと相談を重ね、内に開いた大きなワンルームということをテーマに掲げた。1階に中心となる庭を据え、それを囲むように個性を持った部屋が繋がりを持ち大きな空間を作る。家族の距離を確保しながら、気配を感じられる配置とした。
計画段階から大切にされているヴィンテージ家具の配置を考え、我々の作る家具、棟梁が作る開口部や階段が主張し過ぎず、建築と家具が一体となる様に配慮した。
コロナ禍の最中、帰宅時に、洗面室、洗濯室、浴室と他の部屋を通過しない配置、積極的な引き戸の利用、自動水栓など、衛生面での配慮もデザインに影響している。
子供たちが家の中を走り回り、親も子供もストレスが少なく生活する姿をイメージしていたので、引き渡しの際に子供たちが喜んで走り回る姿はとても印象的であった。