Note
少し高台となった敷地は、南北に良い風が抜け、北側には高校の桜並木やグランドが広がる心地の良い立地。
クライアントは海外での生活が長く、設計の依頼があった際に明確な要望があった。
一つはリビング、ダイニングが広く、キッチンはダイニングに繋がりながらも閉じている空間。そして、全館暖房による冬も暖かい住宅。
リビング、ダイニング、キッチンは、南側の採光、北側の眺望を確保するため、風の流れに沿って南北に抜けたワンルームのプランとし、その構成の中に家具を配置することによって、緩やかに空間を分けている。
敷地の高低差を利用し、目隠しを配置しながら歩行者からリビングが見えないように高さを決定している。家具と建築がうまく融合された空間となるように、リビングに面した階段も一段目を大きくし、リビングを取り囲むベンチのように考えた。
また、家にいる時は家族3人がそれぞれの気配を感じられるように、小さな吹き抜けを設け、各部屋がリビングへと繋がるように構成している。また、夏には吹き抜けの上部に取り付けられたトップライトにより、暑い空気を排出し、風を呼び込む煙突効果も利用している。